黄金の子ら

 あるはずのない記憶というものを、ひとは誰しもひとつくらいは持っているのだろうか。 大通りと平行する狭い路地を足早に通り抜けながら、ぼんやりそんなことを考えていた。 兄がいた──ようにおもう。 むろん、記憶違いだ。生まれ...

[memo] メニューほか変更

サイトの構成を一部変更しました。 ・kyluxとphelmitageを「SW」(新設ページ)に統合・散らばっていたフロム二次を「frmsftwr」(新設ページ)に統合・「オリジナル」から二次オリ作品を各タイトルのページへ...

[info] 篝火2 お礼

昨日のイベント、無事に終了いたしました。スペースに来て下さった方、作品を読んで下さった方、感想やコメントくださった方、ありがとうございました。楽しかった~!展示した新作ですが、日記のほうからリンクを貼っています。ご興味あ...

篝火に火を灯せ!2 開催中

展示してます。篝火に火を灯せ!2 会場 ○リムグレイブ:け3「書肆紙丑堂」○小説展示●新作・「黄金の子ら」王都、忌み子、狂い火をめぐる物語・「見えない月」ロジェールとD、ふたり旅の一幕(※準備号のため冒頭のみ) ●既発表...

見えない月(部分)

 父は厳格な人でしたから、と魔剣士は言った。「戦うことをしない学者という存在は、世界の重荷にこそなれ、誰のためにもならない。だから必要ない。それが父の考え方でした。ことによると私は、そんな父の世界を変えたくて、学者の道を...

悪鬼の小屋

 ものを食わなくなった。 食わねばいずれ死ぬだろうと高をくくっていたのが、まだ生きている。 いや、死んではならぬ。 男は大きくかぶりを振る。死ぬわけにはいかぬ。おれには、やることがある。 腐りかけた小屋の暗がりで、薄く笑...