二人はともだち?

「レンの馬鹿、馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、まさかあれほどまでに馬鹿だとは思わなかった……。胡散臭いインターネットの占いを真に受けるとは……」
「将軍」
「しかも託宣の内容もきちんと解釈できてないとか、馬鹿にも程があるだろう。天然か。愚かすぎてむしろ銀河の神秘だぞアレ。最高指導者も物珍しくて、珍獣保護の一環で弟子にしたんだな、きっと」
「将軍」
「おまけに子どもの作り方ちゃんとわかってなかったし……まさか鼻血吹いて倒れるとは思わなかったから解説してるこっちが死にたくなったし……ていうか一瞬でも本当に犯されるのかと思って怯えた私がアホだった……」
「将軍てば!」
「なんだよ!」
「顔」
「顔?」
「赤いですよ」
「へ?」
「しかもニヤけています」
「え?」
「御自分で鏡をご覧になったほうが宜しいかと」
「そ、そうか?あれ?──あ、いや、これは、その。レンがよりにもよってこの私を、“大事?”とか“友達?”とか“一生一緒にいて?”とか言い出したから、ちゃんちゃらおかしくて、その、お目出度い頭なら御しやすいから天下はすぐに私のものになるなーって思ったら、笑いが止まらな──オイ待て、どこに行く」
「“危機”も去ったことですし、私はご不要かと。それと、“一生一緒にいて”とは言ってませんでしたよ、彼」
「そうだっけ?いや、でもな!安心するのはまだ早いんだって。レンは、あれで執念深いというか、変に頑固なところがあるからな。一度決めたら、間違っていたとしてもプライドに掛けて初志貫徹しかねないというか、まあ流石にないとは思うが、まだ(性的な意味で)襲撃をかけてくる可能性はなきにしも──」
「はあ。……急にお口が滑らかになられましたね。カイロ・レンの気性にも、ずいぶんとお詳しいことで。それに……襲われたなら襲われたで、なんと申しますか、渡りに船なのでは?」
「えっ……?なに……急にどういうこと……?嫌味に聞こえる……」
「役割分担に関しては、きちんとお互いに納得するまで、話し合いでお決めになったほうが宜しいかとは存じます。が、そこは私の関知するところではありませんしね。──まったく、振り回されるこっちの身にもなってくださいよ、私にだって任務ってものが」
「ミタカ……何言ってんの、お前……?お前の任務は主人の私を守ることだろ……?」
「ええ。たしかに、私の任務は“本当の”危機から貴方をお守りすることです。ですから私はもう不要ですねと申し上げたまでです」
「ちょっ……なんで怒ってんの……」
「差し出がましいようですが、ご自分のお気持ちくらい、ご自分できちんと把握なさってください!雑事が山のように溜まっておりますので、ここで失礼いたします!」
「…………ええ…………なんか見捨てられた…………」

「うわあああ、顔、赤!気持ち悪っ!どうした私?!病気か?!風邪だな?!」